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【ANA Novel】このプロジェクトが終わったら

【ANA Novel】このプロジェクトが終わったら
STORY.3 待ちくたびれたメッセージ。
美空、あすみの想いが交錯する

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2017/6/26 UPDATE




  • story.3


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窓のない四方を真っ白い壁に囲まれただけの殺風景な会議室。
容赦なく吹き付ける空調の冷風に、美空は思わず肩を震わせた。まだ梅雨明け前だと言うのに、外は真夏のような暑さだ。おかげでビルの空調もフル回転で、社内ではカーディガンが欠かせなかった。

「じゃあ、先生、次回作もよろしくお願いしますね。次は、もっと盛大に出版記念パーティーをしましょう」

そう言う上司につられて、美空もペコリと頭を下げる。
先生と呼ばれた男は、「こちらこそ」と柔和な笑みを浮かべる。仕立てのよいスーツに身を包み、頭に混じった白髪さえも、生きてきた年輪を感じさせる風格がにじみでている。

エレベーターまで男を見送ると、美空は「ふぅー」とため息をつく。そんな美空に上司が軽口を叩いた。

「おいおい、打合せくらいで、そんなに緊張するなよ」
「だって、うちの看板作家じゃないですか。緊張しないほうが無理ですよ」

この前の出版記念パーティーだって、タクシーに乗せるだけだと思って見送りに出たのに、結局駅まで一緒に乗せてもらうことになり、どれだけ緊張したことか。必死に笑顔を作ってはみたが、大作家を前にすると心の中まで見透かされているようで終始落ち着かなかった。

「そんな怖い先生じゃないから大丈夫だよ。それより、次回からよろしくな」 「はい」

美空は、ゆっくりとうなずいた。




  • STORY.3  待ちくたびれたメッセージ。美空、あすみの想いが交錯する

    (この画像はイメージです)




美空は出版社で編集者をしている。次回作からこの作家の担当を上司から引き継ぐことになり、先日の出版記念パーティーから席を共にしていた。

パーティーでは張り切って着慣れないワンピースなど着てみたが、ヒールの靴といい、作家と一緒にタクシーに乗ったことといい、どっと疲れが溜まることばかりだった。

そんな仕事での変化もあって、恋人の翔に話を聞いてもらいたかったのに、翔はその翌日から北海道出張へ。大型プロジェクトが佳境に入っていることを聞いていたから、すぐにでも電話をしたい気持ちをぐっとこらえ、いつも通り「出張頑張ってね」とだけメッセージを送ったのに、翔からは「ありがとう」とも「ただいま」とも返事が来ていなかった。

翔の帰京予定日から、もう2日が経とうとしている。
これまで、翔が美空のメッセージを無視することなど、一度もなかったのに。

作家を見送ったエレベーターホールからフロアに戻ろうとした時だった。ポケットの中のスマートフォンが震え、メッセージが届いたことを告げた。

翔くん……!?

慌ててメッセージを開いたが、送信元は、翔ではなかった。

「あすみちゃん?」

差出人は、先日から通い始めたワイン教室で一緒のクラスになり、意気投合した飛田あすみだった。小柄でやわらかい雰囲気の中にも、どこか芯の強さを感じさせる性格が、かつての自分を思い出し、妹のように可愛い友人だ。

『ちょっと相談に乗ってもらいたいことがあるんですが……。どこかでワインでも飲みながら、お話できませんか?』

ちょうどいい。
この際だから、自分の話も聞いてもらおう。
仕事のことも、翔のことも。




  • STORY.3  待ちくたびれたメッセージ。美空、あすみの想いが交錯する

    (この画像はイメージです)




待ち合わせの店へは、美空のほうが早く着いた。
腕時計の針は、ちょうど待ち合わせ時刻の19時半を指している。
手持ち無沙汰にスマホを出したところで、あすみが店に飛び込んできた。

「すみません!こちらからお誘いしたのに、遅れてしまって……」
「ううん、私も今来たとこだから」

二人でメニューを眺める。

「へー、どれもおいしそう。ワインも豊富ね」
「そうなんです。実は、昨日も会社の先輩を誘って来てたんですけど……。また来たくなっちゃって。私、一度気に入ると周りの人が呆れるくらいリピートしちゃうんですよね」

そう言って、あすみが幸せそうな笑みを浮かべる。

「あれ?ひょっとして、相談って、恋愛?」
「あ、わかっちゃいました?」
「わかるよ。ハッピーオーラがすごいもん」

美空はどこか懐かしい気がしていた。
自分も、翔と付き合い始めた頃は、こんなオーラを出していただろうか。

翔と自分は大学時代からの付き合いになる。偶然出身地が一緒で意気投合し、これと言って別れの危機もないまま10年が経とうとしていた。お互い、今年で30歳になる。翔からのプロポーズは、期待していないと言えば嘘になる。でも、まさか突然何の音沙汰もなく翔からの連絡が途絶えることになろうとは、思ってもいなかった。

どこか上の空の美空にはおかまいなしに、あすみは話を続ける。

「実は昨日、ちょっとしたきっかけがあって、ずっと気になってた先輩を食事に誘ったんです。噂では、結婚を意識した彼女がいるって聞いてたんですけど、昨日は全然そんな話がでなくって。もう、すっごく楽しかったんです!あの様子を見ると、彼女とはもう別れてますね」
「あら、チャンスなんじゃない?」
「やっぱり、そう思います?応援してくれますか?」
「もちろんよ」

あすみは「うふふ」と小悪魔っぽい表情で笑う。

「ところで、美空さんはどうなんですか?付き合いの長い彼と」
「うーん、どうかな。彼、出張が多いから」

ここで「順調よ」と言い切れないのが、美空はつらかった。決してケンカしたわけでも、2人の仲が悪い方向に進んでいたわけでもないのに、どうして翔は連絡をくれないのだろう。

「結婚の予定はないんですか?」
「うーん、私はいつでもいいんだけどねぇ」

美空はふと、腕時計を見る。
翔もそろそろ仕事が終わった頃だろうか。

「あ、その時計、かわいいですね。飛行機が翼を広げてるみたい」
「ああ、ありがとう。彼が出張の多い人だから。私もこれを着けてると、なんとなく一緒に居るような気持ちになるの」

飛行機が翼を旋回しているようなイメージでデザインされた時計は、出張が多い翔と気持ちを共にしたいと、昨年の誕生日に自分で購入したものだ。

「美空さん一途ですね。彼は幸せ者だなぁー。なんでさっさとプロポーズしないんだろ?その人、馬鹿ですね。あ、きたきた。とりあえず乾杯しましょうか」

ワイングラスを、重ねる。






「あすみちゃんの気になる人は、どんな人なの?」
「私の彼も、出張が多い人なんですよ。あっ、彼って言っちゃった。まだはやいはやい。最近、大きなプロジェクト手がけてて、昨日はその話を聞いてたんです」
「プロジェクト。へー」

プロジェクトと言えば、翔のほうはうまくいったのだろうか。

「そうそう、美空さんの彼って、今おいくつでしたっけ?」
「もうすぐ30歳だよ」
「でしたよね。私の好きな人も同じ年なんです。だから、美空さんに色々相談に乗ってもらえると嬉しいなと思って。ああ、何か今日はいつもに増してワインが美味しい。ぐいぐいいっちゃいそう」
「あすみちゃんがそんなに言うなら、きっと素敵な人なんだろうね」
「あ、実は昨日、一緒に写真撮ってもらったんです。見ます?」

あすみがスマートフォンを美空の前に差し出す。

「どれどれ」

覗いた先には、あすみと顔を並べて、はにかむように笑う翔の姿があった。


NEXT coming soon

→ NEXT coming soon...
最終回 2人の誤解は解けるのか!?
それぞれの想いがぶつかりあう

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※この記事は更新日時点の情報を元に作成されています。変更となる可能性もありますので予めご了承ください。
※掲載商品の売り切れなど、ご希望に添えない場合もございます。
※この物語はフィクションであり、登場人物、団体名等は全て架空のものです。




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