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INTERVIEW

真の豊かさは健康から。
幸せな人生は自分で作る

スマートスキャン株式会社 代表取締役 濱野斗百礼氏

誰でも受診しやすい画像検診環境の構築や提供を行なっている、スマートスキャン代表の濱野斗百礼氏。
もともと医療従事者ではなかったにもかかわらず、なぜ脳ドック専門クリニックを始めたのでしょうか。
開業に際しての想いや今後のビジョンについてお聞きしました。

聞き手:川分香織(lefthands) / フォトグラファー:大畑陽子 / 編集:大野重和(lefthands)

2019.10

誰もが気軽に受けられる脳ドックを

ー はじめに、濱野さんがスマートスキャンを立ち上げ、「スマート脳ドック」を始められたきっかけを教えてください。

濱野氏(以下敬称略):インターネット業界に身を置いていた頃、知人の先生から、日本に250万人程いる運転従事者の健康診断には「脳ドック」が入っていないため、危ないという話を聞きました。バスの運転手が運転中に脳の障害を起こし、大事故となったケースも記憶に新しかった。では、なぜ「脳ドック」を受けさせないかというと、1回5万円もの費用を企業ではとても負担しきれないからだったんです。実際に「脳ドック」が、どのくらいニーズがあるのかリサーチしたところ、価格が安ければ受けたいという人が非常に多いことが分かりました。そこで私は、誰もがMRI(核磁気共鳴画像法)を受けられる仕組みを作りたいと思ったのです。そもそも、これまで日本の医療では、病気が疑われる患者にしかMRIは使われてきませんでした。その根底には、MRIは「健康な人を撮影するものではない」という認識があったのです。しかし、脳疾患で亡くなる人は後を絶ちません。脳疾患は早期に発見すれば未然に防ぐことができる病気です。だからこそ、誰もが検査を気軽にできる環境作りが必要ではないかと思いました。実は、日本は世界で一番MRIを所有している国だと言われています。世の中にニーズがあるならば、やり方次第で事業として成り立つのではないかという考えから起業を決意しました。


医療業界に生かされたSNSマーケティング

ー スマートスキャンが「早い・手頃・正確」な「スマート脳ドック」を実現できた理由はどこにあるのでしょうか?

濱野:「脳ドック」に特化したからです。通常、病院でのMRIは同じ機械で様々な部位を撮影するため都度セッティングの時間が必要となり、1日あたりの受診者数は非常に限られていました。しかし、我々は「脳ドック」に特化することで、セッティングの時間を大幅に短縮させています。「脳ドック」なら着替えも必要ありませんので、1人の検査に要する時間はわずか10分程度に抑えることができるのです。また、クラウドサービスを活用することで世界中の医師が遠隔で読影をできるように、さらにAIチームを取り入れることで正確な診断ができるようにしました。そういった仕組み作りによりMRIの稼働率を高め、1回あたり17,500円(税抜)という低価格を実現できたのです。

ー なるほど。それなら誰もが気軽に受けることができますね。今、「スマート脳ドック」を受けにいらっしゃるのは、どのような方が多いのでしょうか?

濱野:「スマート脳ドック」を受けた約2万5千人のうち、8割強が新規の方です。若い人も多いですね。残り2割は過去に受けたことはあるが、高額で定期的に受けることができずにいた方、予約が取れずにいたという方です。 実は、「スマート脳ドック」の何よりの特徴は、画像データを受診者にお渡しするという点にあります。データとして所持していると、家族や友人に見せたくなりますよね。だから、口コミや紹介で受けに来られる方も多く見受けられます。今では、診断結果をSNSにアップする人もいるんですよ。ある意味インスタ映えしますからね。そういったマーケティングの手法には特にこだわりました。すぐに予約ができて値段も安価で手軽であれば、自分も受けてみようと思うでしょう。そういった手法が功を奏し、稼働率も80%まで上がっています。

ー 「スマート脳ドック」を受けることの一番のメリットとは何なのでしょうか?

濱野:病気を早期発見できるのはもちろん、未然に防ぐことができるという点です。例えば、脳ドックで見つけることができる白質病変というのは未病なんです。睡眠や食事などの生活習慣の改善によって治すことができます。しかし、何も知らずに放っておくと、のちに脳梗塞や認知症の要因になってしまう場合があります。画像データは、人を動かす力を持っていると確信しています。だからこそ、一人でも多くの人に1日でも早く受けてほしいと願っているのです。

柴田氏
BORDERS at BALCONY

病気にならず、健康で豊かに暮らせる世の中へ

ー 濱野社長にとって、この事業の醍醐味はどこにあるのでしょうか?

濱野:こんなに多くの人から喜ばれるビジネスは、他にはないでしょう。「早期発見できたお陰で救われた」という声もダイレクトに耳に届いてきます。モノが溢れる現代において、リピーターを作ることは非常に難しい。しかし、「スマート脳ドック」なら、検査結果を積み重ねることができるので継続しますよね。ライフタイムバリューが最も高いビジネスではないかと思っています。世の中に良いものさえ提供できれば、自然とビジネスとして成り立つのです。そんなに儲ける必要はなくとも、ボランティアでは続きませんからね。このモデルが世の中に広く知られ、企業でも取り入れられるようになったなら、命の助かる人、健康に暮らせる人がもっと増えてくるのではないでしょうか?

ー ANAのマイレージクラブサービスでも「スマート脳ドック」を受けることができると伺いました。そこには濱野氏のどのような想いがあるのでしょうか?

濱野:ANAさんの世の中を良くしようという想いは、私がやろうとしている事業の目的とリンクします。より多くの人に「スマート脳ドック」を知ってもらい、早く受けてほしい。ANAマイレージクラブサービスでも「脳ドック」を受けることができたら、健康を意識する良いきっかけにもなりますし、より手軽ですよね。仕事で飛行機を利用している人も多いと思いますので、検診によってマイルを貯められたらなお良いでしょう。

ー 今後の展望について、教えていただけますか?

濱野:「スマート脳ドック」は日本のみならず、世界におけるファーストモデルです。海外ではMRIはもっと高額ですから、旅行のついでに受けに来る海外の方もいらっしゃるんですよ。これから先進国などにもどんどん広まってくれたらいいですね。脳ドックのデータは他のデータと結びつけることで、より多くのことが分かってきます。例えば、健康診断の結果やインターネット上の購買履歴とつなげることで、生活習慣における問題点が浮かび上がってくるかもしれない。活用の幅は無限にあるはずです。健康を意識するには、要因を知ることが何よりも大切です。それさえ明確になれば、自ずと健康への意識は高まるはずです。現在日本は、少子高齢化が進んでいます。いずれ高齢者も働かなくてはならなくなる。幸せに暮らすためには、今の自分の健康状態をしっかり受け入れ、健康で病気にならない仕組み作りをしていかなければなりません。幸せは自分で作り出すしかないのです。このモデルを世界展開し、病気にならず豊かに暮らせる世界を作ることが私の夢です。


濱田氏

濱野斗百礼

Tomoaki Hamano

スマートスキャン株式会社 代表取締役
1969年生まれ。楽天株式会社にて執行役員、グループ会社のリンクシェア・ジャパン株式会社にて代表取締役社長を務めた後、スマートスキャン株式会社を設立。



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